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幼い頃に別れた母の真意が判明したヒプノセッション


さくら

「自分は母親に捨てられた」とずっと信じて育った。でもその思い込みはまちがっていた。

 これは年齢退行のヒプノセッションを受けてくださったAさんの気づきです。

 幼い頃の心の痛み、ネガティブな感情は、気づかれることがないまま意識の奥深くに沈められています。

 それはすっかり忘れられていて、思い出そうとしても全く顕在意識にのぼってこない。あるいは、間違った記憶として「こうに違いない」と勝手に思い込んでいることもある。

 でも、潜在意識にその感情が存在している限り、何かの拍子に痛みや生きづらさとして体験することがあるのですね。

 傷ついた幼い時の自分=インナーチャイルドが、存在に気づいてほしくてメッセージを送ってくるということ。

 ヒプノセラピーは潜在意識にダイレクトにアクセスしていきます。なので、自覚できていなかった幼少期の出来事を、具体的なシーンとして意識に浮かび上がらせ、細かく見ていくことができます。

 いつもすごいなと感心するのですが、ヒプノを受ける方は、ベストなタイミングでやってこられます。

「自分の深い痛みの部分を癒さないとさらに苦しくなって、これ以上前に進めないよ」というサインを、潜在意識の真の自分(ハイヤーセルフ)が発してて、それを表面意識でキャッチするんじゃないかなと思います。いつだって自分が自分を導いているのです。

 Aさんのケースもまさに、ベストタイミングでのセッションでした。ご本人のご了承いただいて、体験談をご紹介させていただきます。

初めてヒプノセラピーを受けました。

別に受けたカードリディングで、ハートチャクラの上あたりにブロックがあり、5歳のときに母がいなくなったことが原因らしい、それを癒すためにヒプノセラピーがベストと言われました。

インナーチャイルドの焦り「どうしようどうしよう---」という感覚がずっと存在していて、何か起こるたびに浮上し、心の中のデフォルトになっている、とのこと。これを解放する時だと自覚し、今回セッションを受けてみたのです。

私の両親は離婚しており、母と離れて育った私は、母親がらみのトラウマがあることはわかっていたので、これまでも様々なセミナーを受けて解消してきました。すべて手放したつもりでしたが、いま観るべきものが残されていたようです。(Aさん)

 事前のカウンセリングでお話を伺うと----幼い頃、ご両親が離婚されて、父親に引き取られ実家で祖母に育てられたAさん。弟を連れて出て行った母に対し、長年「自分は母に捨てられた」と思い込んでいたそうです。

 大人になって母と再会し、「一緒にいたかったけれど家を出るしかなかった」との言葉を聞き、誤解はとけたのですが、意識の深いところで傷ついた心は癒されていなかったのです。幼い頃に求め続けた母からの愛を得られず、ぽっかりと穴の空いた状態は、自分自身で気づいて埋めてあげるしかありません。

根本的な癒しは誰かにしてもらえるわけではなく、自分自身にしかできないことなのです。

  • 幼い頃に自分を置いて出て行った実母への思い、なぜ自分を捨てたのか?という疑問

  • 父は母に戻って欲しがっていたが、母は父を嫌っていたと思う

  • 10歳の時に父が再婚するが、義母を受け入れられなかった(母とは認めないという強い決意) 

など、確認すべきポイントがいくつかあり、そこを丁寧に見ていきました。

 声の誘導に沿って意識の奥へ入っていくと、最初にAさんに見えてきたのは、バス停でお母さんに手を引かれてバスを待っている場面でした。お母さんの背中に、まだ赤ん坊の弟がいます。

 幼いAさんは、お母さんがとても不安な様子を感じ取っていました。ヒプノセッションではその時のことが記憶になくても、浮かんできた状況を説明し、リアルな感情を言葉に表すことができます。

 さらに人格交代して、自分以外の人の感情を感じ取って言葉にしていきます。この方法で、自分にしか見えていなかった状況を、別の人の立場からも同じ出来事を体験し、全く違った情報を受け取ることができるのです。

 この場面で母親の事情をみていくと---結婚して家庭に入り(Aさんの父親の実家で同居生活)嫁の立場で非常に辛い思いをしていたこと、姑(Aさんの祖母)は何よりも世間体を大事にする人で、家を守ること(後を継ぐこと)を重視し、何かにつけてプレッシャーを与えていたこと、夫は実母の支配下にあり味方してくれずに、どんどん孤独を募らせていったことなど、苦しい心情が明らかになりました。

 あの家にいると生きた心地がしないと、意を決して子供たちを連れて家を出る決意をしたけれど、この先どうなるかわからない。そんな不安いっぱいの思いで、バスを待っている状況でした。

 さらにセッションを進めていきます。

 その後親子はしばらく親類の家を転々とするものの、そんな生活をいつまでも続けるわけにもいかず、自分で生きる道を探さなければなりません。Aさんのお母さんは悩んでいました。

「絶対にあの家に戻りたくない。この子たちと絶対に離れたくなくて連れてきてしまったけれど、苦労をかけてしまう。どうしたものか---」

 幼いAさんは痛いほどその気持ちを受け止めていました。自分が一緒にいると余計に大変な思いをするし、苦労するということを理解していました。そして、大人びた決断をするのです。

 父親が迎えに来た場面で、どうするか尋ねられると、「お家に帰る」と答え父親と暮らすことを選択したのです。親類の家を転々とする宙ぶらりんな状況より、元いた家に戻りたいと思うのは当然です。その胸の内では、お母さんもいつか戻ってくるということを望んでいたのですが---

 この時の選択は、今のAさんの生き方の基盤となっています。

自分の意思で人生を切り開いていくこと

 幼いながらの経験が学びとなってたAさんは、誰かにコントロールされることを嫌い、自分で人生を切り開く生き方を貫いています。

意識の半分は“いまここ”に居ながら、半分は過去の映像をみている自分という感覚なのですが、居心地がよく、とてもリラックスしていました。

いままで自分の立場からだけしか、見ていなかった出来事を、実母の立場からも見たときに、出来事がニュートラルに見え、思いがけないことがわかりました。

そして、幼い私はとても大人びており、冷静に判断し、ちゃんと自分で人生を決めていたことがわかり、驚きともに自己受容が起きました。

また、一瞬ですが「ハイアーセルフと自分が一体になっている?」と感じた瞬間があり、すべての体験は自分が設定してきたことだったこともわかりました。

セッションは、すごーく長い時間のような、あっという間のような、不思議な体感でした。初めて味わう深い癒しが起きたことを実感しています。(Aさん)

 ヒプノは自分以外の人の思いや考えも、自分のことのように受け取れるのが面白いところ。いわば宇宙の視座で起きたことを捉えられるわけです。

 幼いAさんはとても賢くて、意思の強い子だと思いました。子供ながらに、お母さんの深刻な辛い状況や、未来がどうなるのかもわかっていて、自分でお父さんと生きる選択をしたのですから----。

 表面的には辛い状況ですが、その選択は純粋な愛を貫いてのことで、それによってお母さんの人生を救ったのだと思います。

 その体験があったからこそ「自分の思い通りに生きる」人生をクリエイトし続けてこられたのでしょう。

 セッションの中で、私も感動したメッセージをご紹介します。

 いつか母親が戻ってくれると願い、毎日神様にお祈りをしていたというAさん。けれども10歳の時に父親の再婚が決まり、願いが叶わないことがわかると、神様から裏切られたと深く傷つきます。そして「絶対に神を信じない」と強く決意した。ご自身はこの時「悪魔と契約した」と思い込んだそうです。

 そして、義母のことは母として認めまいと決め、心を開くことはなかったとのこと。母として身の回りの世話をしてくれることはありがたいと思いつつも表面的な関わり方で、温かな思いを通わせることはなく、多感なティーンエイジの時期を孤独を抱えながら過ごしたのです。

 けれども真実は全く違っていました。

 Aさんを導いていたハイヤーセルフからのメッセージは、次のようなものでした。

「お母さんに戻ってきてほしいという、あなたの願いは、本当は叶っていたんですよ。

 新しく来てくれたその方は、あなたの母親になることを生まれる前に約束していたのです。

 あなたも魂レベルで同意していました。 

 あの当時、あなたが心を開くだけでよかったのです。

 いつだってあなたの願いは叶い続けているんですよ」

 このメッセージを受け止め、美しい涙を流されていたAさん。私も胸が熱くなりました。

 誰もがきっと、自分が決めてきた通りに人生を歩んでいること。つねに大いなる宇宙の意図が働いていて、ハートを開きさえすれば、注がれている愛を受け止めることができるのでしょう。

 自分の偏った思い込みによって、自分で自分を苦しめていた---。そのことも解放できて良かったと思います。Aさんにとって、これも自分自身からの大きなギフトでした。

 過去のどんな辛い出来事も、宇宙の視点からみればすべて愛なのです。

 出来事を体験しているその時は気付けなかった愛、感じられなかったつながりを、ヒプノセラピーではリアルに体感していただくことができます。

 すべてをわかっているその方のハイヤーセルフが、必要なことを見せてくれるわけです。 

*ヒプノセラピーのお申し込みはこちらから。

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