本能で生きる子どもと向き合うと、ママも本能的に感情がむき出しになってしまう。
怒り、嫉妬、不安という感情があると、
私たちは自分自身を醜く感じて、
自己嫌悪に陥ってしまうことがあるもの。
だから、そうしたネガティブな感情はあってはいけないと、
見ないように、無意識に抑え込もうとしてしまうものです。
実は、とても不自然なことをしているのですね。
理性が働いているときは、それができているかも知れませんが、
子どもと日々向き合うママは、そうはいかなくなってしまいます。
だってね、子どもは本能で生きているものだから……。
つねに喜怒哀楽をストレートに表現しているわけです。
喜んだり悲しんだり怒ったりせつなかったり、
そのときそのとき素直な気持ちが現れているということ。
子どもはママを困らせようなんて、これっぽっちも思っていません。
あるがままなのです。
泣きたいから泣いていて、怒りたいから怒っていて、
わかってほしいから、泣いて自己表現しているだけなのです。
ところが、ママも毎日一生懸命で、
もっと時間的にスムーズにできるはずのことが、
子どものペースに合わせると、ちっとも予定通りにいかなくて…
おまけに自我が芽生えてくる2歳過ぎの子どもになると、
ますます言うことをきいてくれないし、
何もかもが想い通りに行かないと感じられて……
ほとほと疲れ果ててしまうものです
本能で生き、自分の想いや感情をストレートに表している子どもと
真っ正面に向き合うとなると
ママの方も理性のコントロールが効かず、
本能むき出しになってしまうのですね。
意識の奥に、ひた隠しにしてきた
怒り、悲しみ、恨み、憎しみ、嫉妬心などが、
感情的な自動反応でフタが開いたとたん、
一気に吹き出してきてしまうことがあります。
子どものちょっとした言動がきっかけで、心はすぐ波立ちます。
せっかく作った離乳食を
ちっとも食べようとしない。
「食べたくないならもうあげないよ」
スーパーのお菓子コーナーで
「買って〜」とだだをこねる。
「買わないって約束したよね。
言うこときけない子はキライよ」
玄関先で靴が履けずにモタモタしている。
「何やってるの。早くしなさい。のろまなんだから」
イライラッときて、つい冷たく言い放ってしまう。
その時は、頭にカ〜ッと血が上って、抑えがきかないのですね。
後で冷静になると「ひどいことを言ってしまった」と反省して、
「ごめんね。ママ、気をつけるから」と寝顔にひたすら謝る……
母親なら誰でもそんな経験、一度や二度じゃないでしょう。
気をつけていても 何かの引き金で表出してしまうのが、
意識の深いところにあるネガティブな感情です。
気づいてもらえるまで、ずっとそこに存在しているのです。
が、日頃は理性でカバーしているから、存在することもわからない。
逆に言えば、「こんな怒りがあったんだ。でも必要ないな」と気づくと、
解放することができます。手放すことができます。
いつも本能で向かってくる子どもは、ママの理性のカバーを外してくれて、
気づきのチャンスを与えてくれているわけです。
とはいえ、ネガティブな感情を子どもにダイレクトにぶつけるのは良くありません。
トラウマを作ってしまうことになりかねませんし……。
子どもを無意味に傷つけてしまうことは、避けなければ。
もちろん、ママ自身もそんなことはわかっているはず。
でも、わかっているけどできないから、苦しいわけですね。
まずは一人になって、リラ〜ックスする時間を持ちましょう。
子どもがお昼寝中、あるいは家族が寝静まった深夜でも
わずかな時間でいいんです。
自分自身とゆっくり向き合いましょう。
ゆっくりゆっくりと呼吸すること。
吸うときは、1、2、3、4と数え、
吐くときは、1、2、4、4、5、6と数えるように。
吐く息を長くすると、副交感神経が優位になりますので、
短時間でリラックスしやすいですよ。
心に涌き上がる感情を、みていきましょう。
どんな自分嫌わず、否定せず、あるがまま受け止めること。
客観的な視点を持つことが大切です。
もう一人の自分が、今の自分の想いや感情を観察するように意識して…
「怒りがあったんだな」と気づいて認めると、解放が起こります。
だんだんと内側が軽くなっていくでしょう。
「いまはこんな状況でこんなことを感じている」
「自分の時間ができたらこんなことをしたい」などと
思っていること、考えていることを自由に書き出してみるのもおすすめです。
内側に隠れていた思い、意外な欲求が見えてくることがありますよ。
そうやって、内側の風通しを良くしてあげると、
子どもの些細な言動にカチンとこなくなります。
いちいち感情が波立つことがなくなっていきます。
子どももご機嫌よく過ごせるので、
ママも穏やかに楽しく日常を過ごせるでしょう!
子育ては“自分育て”のチャンス。
自分自身と向き合い、人間的に成長できる機会と受け止め、
子どもと一緒に成長していけるといいですね。
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