男の子の育ちはゆっくり。その子のペースを大切にしてあげよう。
「うちの子、いつも動き回ってて大変。それに比べて、女の子はじっと座って遊べて、育てやすそうだな〜」
40歳の高齢出産だった私は、息子が2歳を過ぎて活発に動き回るようになった頃、こんなことをよくつぶやいていましたよね。
もちろん個人差はあるもので、同じ男の子でも、じっくり一つのことに取り組んで、それほど動き回らない学者タイプもいます。一方、うちの子のように好奇心旺盛な冒険家タイプは、つねに次から次へと興味の対象が移り変わり、気の向くままにあちらへフラフラ、こちらへフラフラ。一時もじっとしていないので、追いかける方はそりゃ大変。しかもすばしっこくて……。
出産だけなら40過ぎでも大丈夫だけど、子育てには本当に体力がいるものなんだな。年齢が上に行くほどしんどいんだな……としみじみ思いましたっけ。
確かに、男の子と女の子で育ちの違いはありますね。きっと、ほとんどのママが感じているはず。
幼児教育の分野で第一人者としてご活躍されている内田信子先生にお話をお聞きしたのですが、性差に限らずその子の持って生まれた個性は、生後10ヶ月くらいから現れるそうです。
例えば、ひたすら一人でブロックやおもちゃで遊ぶのが好きなタイプは、どちらかというと男の子に多い。一方、女の子は人と関わるのが好きなタイプが多く、ごっこ遊び、ままごとを楽しんだり、絵本を読んでもらうことを好むんですって。
「毎度、遊び相手をするのが面倒なのよ」って、よく女の子のママ友がこぼしていたのを思い出しますが、たいてい女の子の遊びには相手が必要なんですね。確かに、息子はどちらかというと、プラレールやブロックでよく遊んでいたなあ。
(写真:児童館でブロック遊び。ウルトラマンが大好きだったこの頃、カメラ向けるといつもこのポーズ (笑))
ママによっては、一人遊びの我が子に心配になったり、「社交性のためにはお友達と関わらせなきゃ」と思うこともあるかも知れませんね。でも内田先生いわく、
「その子が好きな遊びを好きなだけやらせてあげるのが一番。無理矢理、本人が望まないことをやらせる必要はない」のだそうです。
「自分のまるごとを認められている。あるがままを受け入れられている。充分に自分は愛されている。」そう本人に感じさせてあげることが大事なのでしょう。
そして一般的に、「男の子は女の子と比べてゆっくりのペースで育つもの。その子のペースを大事にしてあげることが大事です」と明言されていました。
確かに、1〜2歳の頃、言葉を話し始めるのも、女の子の方が早い傾向にありますよね。相手の気持ちを汲み取って行動できるようになるのも、やっぱり女の子の方が先。それも幼稚園にあがる頃には並びます。他の子と比較して、焦ったり不安になることはないということですね。
(わかってるんだけど、ついつい比較しちゃうのが親なのですが……(^ ^;) でも、気づいたらやめることができます。自分も誰かと比べられるのはやっぱりイヤだよね〜って。あるいは、我が子の表情をよ〜く見て、喜んでるのかな?悲しんでるのかな?と気持ちを感じてみるのがポイントでしょう。)
「男の子だから厳しくして当たり前。強くたくましい子に育てなきゃ」という発想のママは、いらっしゃるかも知れません。「多少痛いことも、我慢できなくてどうするの?男でしょ」なんて、叩くことも必要だと思っていたり……。実は、男の子に厳しくしたり冷たくするのは、絶対ダメなんですよ。
生物学的な観点からからして、女子より男子の方が生命力が弱いそうです。DNAの成り立ちでみると、女性の性染色体遺伝子が「XX」で、男性の性染色体遺伝子が「XY」で構成されています。X染色体には免疫機能に関わる遺伝子情報が含まれるので、それが1つしかない男子は遺伝的な病気にかかりやすいと言われています。
つまり男子は元々、とってもナイーブで打たれ弱い生き物。特に幼少期は心と体の基盤が形成される最も重要な時期。この頃にこそ、しっかりたっぷり甘えさせてあげることが大事。人間性や自己肯定感を育む上で、さらには学力、想像力、クリエイティブ能力の向上など、あらゆる面でプラスに影響していくそうです。男の子は女の子以上に、甘えさせてあげるべきなんです。
男の子のママは、甘えさせ上手になりましょう! これって、ご主人にも……かな?夫婦円満の秘訣ですね(笑)
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内田伸子先生のご著書『子育てにもう遅いはありません』
幼児期の子どもの心と脳が健やかに育つためには、親がどのように関わればいいのか、具体的に示されています。
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